2016年01月22日

ダッハウ強制収容所にて想定外の自分発見




19日夕方にドイツから戻りました。

本来の目的地Leipzig(ライプツィヒ)では

トマーナ(聖トーマス教会合唱団)と

Ensemble Nobiles(アンサンブル ノビレス)

の演奏を中心としたさまざまなイベントと出逢いを

それはもう存分に愉しむことができ、

自分の人生においてこんなにも貴重で素敵な体験が

できちゃっていいの?と感激続き。

・・復路は敢えてフランクフルトではなくミュンヒェン経由で。

かねてから「行かねば」と思っていたダッハウ強制収容所を訪れるためです。



羽田行きのフライトを夜便にし、トランジットの間に

半日かけてじっくり収容所を廻りました。


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広すぎて寒すぎて内容が重たすぎて・・見学後にはぐったり。

写真もビデオも撮影OKだったのですが

とてもそんな気にはなれず

殆ど写真は撮っていません・・。

感電自殺を図るために囚人が頭から突っ込んだ鉄柵。

その死体を処分するための焼却炉。

(記憶に間違いがなければ、一炉につき一度に2体焼ける性能を有していたと

説明書きがあったと思います。)


これでもかこれでもかと

目の前にさほど遠くではない過去の

動かざるモノの証人たちが立ちはだかり

重々しい当時の空気を運んできます。

こんなに心身ともに疲弊したことはないかもしれません。

おなかがグーグー鳴っていたのに空腹感をまったく覚えなかった経験も

初めてかもしれません。

脳が、否、身体のすべてがあまりの壮絶さと強烈さに混乱を起こしていました。

その結果。

胃腸機能が完全にストップしてしまいました。

帰国してからなんとなくおかしいなおかしいなと思っていた胃が

いよいよ火がついたかのような灼熱痛を発し、

それから次第に腸がよじれるような苦痛を呈してきました。

仕事中でしたがあまりの痛みに丸まったまま動けなくなってしまったわたし。

腸閉塞一歩手前のサブイレウスという状態でした。

上からも下からも出てくるものは

強制収容所見学後のカフェテリア以降に食べたもの
(キタナイハナシデスミマセン)


苦しさと同時に驚愕を覚えていました、わたし。

自分ってこんなだったっけ?!

自分って、グロ系・残虐系の映画や小説、大好きだよね?!

十分耐性あるはずだよね?!

まさかまさか、ノンフィクションとフィクションとの乖離具合が

こんなにも物凄いものだとは思ってもいませんでした。

昨晩から少しまとまった時間眠れるようになりましたが

それでも夢に出てくるのは「彼ら」です。

うなされます。

わたしが味わった苦しみの何十倍、何百倍、という

苦痛を与えられた「彼ら」。

サブイレウスになった今でもわたしは敢えて断言します。

この苦しみをもってしても、「彼ら」の苦痛の跡を

その目で確認する意味と価値と責任があると。

ドイツ人以外であっても、人間であればしっかり自分の目で

見ておかなくてはならないものであると。

人はここまで残虐性を持ちうる動物です。

一部の、本当に一部の「信念がブレない」特異な人間以外は

「昨日の残虐」=「今日のノーマル」と脳が慣れるように

システム化されている憐れで脆い動物です。

だからこそ、それを自分の目で知り、

将来の自分にブレーキをかけるための

フラグを内包しておく必要があるのです。


上述「信念がブレない特異な人間」の一人として

ゲオルク・エルザー氏が挙げられるでしょう。

彼はこのダッハウ強制収容所で死を迎えています。

(そして我々は偶然なのか必然なのか、

昨年10月に彼を扱った映画の試写を観に行っています。)
  


しかし(復元箇所があるとはいえ)よくぞ残してくれました、ドイツ。

後を絶たずどんどん見学に来るドイツ人小中学生の数にも驚きました。

旅行記に入る前にいきなり(本来ならばおまけだった)ダッハウから

始めてしまいましたが、そんなわけで

絶食治療を終えて胃腸が正常化してから、

ライプツィヒでの記憶を、写真(730枚!)とともに

繙いてみようと思います。



そ、そんなわけで...旅行記UPも遅れるかと思います 汗

*****

メルさんは極めて順調。爆食具合も更に加速。

新しいシッターさんとのお留守番もとてもお利口さんにできました。


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うさぎには、いえ、人間以外の動物には

悪たる因子がありませんね。

どうしてわたしは人間として生まれてきたのでしょう。

強制収容所を見た人なら必ず直面する自問だと思います。

どうあがいても今の人生の途中から

わたしはうさぎにはなれないから

答えの出ない問いを繰り返しながら

これからも生きてゆくほかありません。

せめてフラグを見失わずに。

ね、メルさん。

これからも人間を癒してくれる存在でいてね。


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ニックネーム らぼすたっふ at 20:02| らすズの旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする